What's Limit?? Pt.1(Reckless Remix) 

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Genre:HARDCORE BPM:500


  Remixer / Half of Major

2020年の正月休みでPt.2アレンジのリメイクをリリースした。
その後「Pt.2だけアレンジがあってPt.1が無いってのもなあ…。
この楽器構成でPt.1もギタドロックしてみっか」と考えた。

当時のプロジェクトファイルは環境が違い過ぎてもう開けないので、
今回も1からMIDIを作り直し・諸々のMIDI数値も再設定していたのだが、
その間に世界は未知の疫病:COVID-19(新型コロナウイルス)で大混乱に。

そんなわけで、2月末から3ヶ月近く続いた引き篭もり在宅業務ライフの
傍らでアレンジが完成。 原曲をリリースしたのが丁度10年前だったことは
完成後に思い出した(苦笑)。

制作経緯の話はこの辺にして、アレンジ方面の話を。

正直、Pt.2よりもバンド譜への落とし込みには苦労した。
Pt.2の場合は、音源を変えただけでも演奏できなくもない構成にしていたのだが、
(完全思い付きで作ったものの)

Pt.1は生演奏なんて視野に入っていなかったので、
500BPMの8分=250BPMの16分音符のハイハット刻みやら
ラス殺しのバドマニパロディなど、アコースティック音源に
差し替えたら人外譜面まみれになってしまう
(最後だけは原曲通りのブラストビートにしたが)

それに、どうしても先に作った故、Pt.2と比べると
同じ音階の連打や繰り返しが多く、
(例えばイントロなんて、掃除もしないのにレレレで始まるリフである)
そのままギター譜面にすると途中で飽きてくる。

鍵盤譜面にしたら 「冬 第1楽章(ノスタルジア版)」(Vの原曲)
「魔王」(クラシック8の200BPM3連符地帯)の如く連打だらけになり、
腹筋じゃない筋肉が崩壊・上腕二等筋破壊上等な有様になる。
「パワー!」なり「裏切らない」で済まされなくなる。

更に、先述したように、Pt.1はピアノの「レ」を基本とした
リフ構成(Pt.2は「ミ」)だったため、
ベースを5弦ベースにするか、4弦ベースで本来よりも低くチューニング
(ドロップチューニング等と呼ばれる)するなど、
メタリックでハードコアなことをしないと、
MIDIそのままでは普通のベースで演奏できないし、
「ベースは超低音Death」にする必要性もなかった。

以上の事情により、「我が魔王」の如く全てを再構成しないと
にっちもさっちも行かなくなるのが明白だったため、
全パートを原曲から少し変更することになった。

こうした動きのアレンジはPt.2アレンジのリメイクとほぼ同じ要領で構成。
具体的には、
・3連オルタネイトピックング/連打から動きをつけた
(セリフ後半部分のリフを「レレレ」を「レドレ」に変更、とか。)
・ベースは一部オクターブを上げることで音階の制約に対応
・鍵盤はノスタルジアを意識し、テヌートとグリッサンドを追加
・鍵盤の連打を一部緩和
(中盤のセリフ前半部分を鍵盤だけ「レレレド」から「レッレド」に変更、とか。
ぶっちゃけ、FC版
「スパルタンX」のパロディである)
・原曲のバドマニパロディ地帯は、DELUHI(既に解散・楽曲もゲームから削除)の
「Two Hurt」ラストと 泉フィルを複合したドラムフィルに置換 がんばれー
・Ample Guitar音源特有のピックノイズやピックスクレイプ音を追加
(前者はギタドラの「Midnight Sun」が元ネタ)
などなど、色々と変えた。
(Pt.2にも言えるが、ハイハットは開閉を別個に用意する「ダブルハイハット」にしても、
左足の足首でペダル開閉とツーバスのゴリ押し対応にしてもOKと考えている…という言い訳。)

Pt.2と大きく違うのは、ギターが3本であること。
今回もAmple Guitar音源をリードとリズムギターに採用したのだが、
原曲で使っていたSlayer2特有のジョンジョン鳴る「ダーティなクランチ感」が
どうしても捨て難かったので、Slayer2も残した。(勿論、MIDIも全部打ち直した)

結果、ギター3本、ベース、ドラム、鍵盤の6ピースバンドという
わけわからん構成になった。 お陰様で配置(パン振りなど)考えるのには苦労した。

動きをPt.2と同じ要領でアレンジしたまでは良かったのだが、
どうも中盤のセリフ地帯のバッキングに物足りない感じが拭えなかった。
打ち込みだったらあれでよかったのだが、アコースティックに直した際、
あんまり賑やかにするとセリフが埋もれてしまうし、
(セリフ自体も「大〜きな ●●モツを く〜ださい〜」ほどのパワーワードでもないし(苦笑))

逆に大人しくさせすぎても、(吹奏楽しか経験は無いが)バンド・音楽面双方の
空間が不自然になってしまうのだ。

後になって気付いたのだが、自分が「ひたすらパワーコードでユーニゾ〜ンしたーい」という
安直な考えだったからである。(私自身がギターを弾けないのもあるのだが)

(自分が【E】と感じるバンド演奏の演出って他にどんなものがあるか?)と考えつつ、
大型連休中に色々 聴き直したり、実際に鍵盤でAmple Guitar LPを鳴らしたりして
試行錯誤を重ねた。

結果、完全に別の動きから途中から重なったり、オクターブが上がったりするといった、
クラシックで言う「フーガ」的な「ちょっとずつな変化」を盛り込んだ構成にすることで
セリフの存在感とのバランスを取り直した。

そんなこんなでPt.2アレンジ以上に原曲から色々と変えている。
誰かリモートでもいいから生演奏してくれたら、
作者が「ふわぁ〜」と卒倒するだろう。